アメリカ政治

アメリカ大統領選挙についてこれだけは知っておきたいこと3選

アメリカでは2016年の11月8日に大統領選挙が行われました。ニュースでトランプ氏や、クリントン氏の姿を見ない日はないといってもいいでしょう。そんな大統領選挙ですが、仕組みについて理解している人は少ないのではないでしょうか。

 
アメリカ大統領選のおおまかな流れと、ポイントをまとめていきたいと思います。
 

 

目次

アメリカ大統領選挙の流れ

アメリカの大統領選挙は、1年以上も続く長期戦です。
 
2期に渡って大統領を務めたオバマ大統領の出馬は、アメリカ合衆国憲法修正22条の規定によって認められていないため、民主党は新たな候補者を選び出す必要があります。
 
 

おおまかな選挙の流れ

【2016年】 
  • 2月1日 アイオワ州で党員集会
  • 2月9日 ニューハンプシャーで予備選
  • 3月1日 スーパーチューズデー

スーパーチューズデーとは、大統領選挙のための予備選もしくは党員集会がもっとも多くの州で行われる火曜日のことです。12州とサモアで行われます。

  • 6月 両党最後の予備選
  • 7月18~21日 共和党全国大会
  • 7月25~28日 民主党全国大会
  • 8月~11月 両党候補による選挙戦
  • 11月8日 大統領選

 

 
 

米国大統領選挙は予備選挙と本選挙の2本立て

アメリカには民主党と共和党という大きな2つの政党があり、議員はほぼ全員どちらかの政党に所属しています。大統領選挙では、2つの政党がそれぞれ候補者を一人ずつ決めて、一騎討ちで大統領の座を争います。
 
150年以上このような決め方で大統領選挙は行われています。
 
 

予備選挙

7~8ヶ月かけて行い、各政党の候補者を決める選挙のことです。
 
これはそれぞれの州ごとに代議員を選出する選挙です。予備選挙は、直接候補者に投票するのではなく、代議員を選ぶ間接選挙です。
 
つまり、予備選挙と党員集会の結果で何人の代議員がどの候補を支持するかがわかります。代議員は事前に公表する候補者を宣言していて変更することができないからです。
 
 
特別代議員とは
特別代議員は、その州を支える主要な政治家たちで、予備選挙の結果とは別に、支持する候補を決めることができます。
 
例えば、ニューハンプシャーの予備選では、バーニー・サンダース氏が60%の票を獲得し、38%のクリントン氏を大差で上回りましたが、両者はほぼ同数の代議員を獲得しました。
 
これは、予備選の結果に左右されない特別代議員の多くがクリントン氏を支持したためです。

 

 

本選挙

各党が全国大会で党の候補者に決めたら、いよいよ本選挙です。
本選挙では一般の有権者が投票し、約1ヶ月後にその結果を踏まえて「大統領選挙人」が投票する2段階方式です。
 
 
大統領選挙人とは
大統領選挙人とは、大統領を選ぶ権限のある人のことです。州ごとの人口に応じて人数が割り振られています。総定数538人です。
 
本選挙ではこの選挙人の過半数以上を獲得した人が当選する仕組みになっています。
 
もう少しわかりやすく説明すると、一般の有権者は投票用紙に候補者の名前を書いて投票します。例えば、今回の選挙ではトランプ氏か、クリントン氏のどちらかの名前を書いて投票します。
 
そして、その州でより多くの票を集めた候補者に、その州の選挙人が投票するという仕組みです。形式的な間接選挙で、実際には有権者が大統領を選んでいるのと変わりません。
 
多くの州で「勝者総取り方式」と呼ばれる方式を採用しています。これはその州で1票でも多く票を得た候補者が、その州に割り当てられた選挙人を全員獲得できるルールです。このことで選挙人の多い州で勝てば、数の少ない州で負けても、選挙人の獲得数で上回ることができます。
 
実際に2000年の大統領選挙で、ブッシュ元大統領はゴア候補より50万票以上少なかったにもかかわらず、選挙人の数が多いフロリダ州を制した結果、ゴア氏を5人上回って大統領に就任しました。
 
 
 

大統領選の現状について

最後に現在の大統領選の現状についてまとめたいと思います。

 

共和党の候補者は、ドナルド・トランプ氏に確定しました。2位につけていたテッド・クルーズ氏が選挙戦撤退を表明したからです。トランプ氏は共和党の代議員の過半数を獲得しました。

民主党はヒラリー・クリントン氏の指名獲得がほぼ確実視されていますが、サンダース氏は選挙戦の撤退を表明していませんでした。代議員の獲得数では僅差ですが、特別代議員のほとんどがクリントン氏を支持しているためサンダース氏は不利な状況です。

後にサンダース氏が撤退を表明し、クリントン氏が民主党の代表に選ばれました。

ヒラリーVSトランプになった場合どちらが勝利するのかについては、当初トランプ氏の勝つ見込みはないと言われていましたが、トランプ氏が追い上げを見せました。

結果的に、クリントン氏の勝利が硬いとされていた州でさえトランプ氏が勝利し、トランプ氏がアメリカ大統領に当確しました。まさかこのような選挙結果になるとは思いませんでしたが、アメリカ社会は「変化」を求めてトランプ氏に投票したのでしょう。

 

関連記事

ABOUT ME
トントン
漫画、映画、アニメなどサブカルチャーを幅広く紹介するブログです。 お問い合わせはこちら:today.tonton@gmail.com

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です